「エディターシップ」という面白い考え方 第149話
1.エディターシップという考え方
興味深い考え方を見つけました。
この考え方は表現活動、レポート作成、エントリーシート作成等、幅広く使えると確信しました。
参考になったものはこちらの『乱読のセレンディピティ』著 外山 滋比古
外山滋比古さんの書籍(エッセイ?)です。
非常に面白いため久々に2周目を読んでいたのですが、1周目には無かった発見がありました。
今回取り上げる章は、第10章 エディターシップ です。
『思考の整理学』にも似た話が登場するのでご存知の方も多いかもしれません。
少し噛み砕いてご紹介します。
2.次元の違う創造
外山滋比古さんの主張です。
「編集は料理に似た加工である」
料理に関していえば、材料を調理して美味しいものにする人が料理人です。
しかしその前のフェーズとして、料理に使う材料を作る人もいます。
少し抽象度を上げて考えると、
第一次創造は「素材を作る。」
第二次創造は「加工をし、第一次創造になかった価値を生み出す。」
このようなまとめ方になると思います。
編集も同様で、素材を作るだけでは読者の欲する読みものにならないですね。
その素材に様々な加工をすることで面白いものになります。
それはページ配置であったり、組み合わせの妙のようなものです。
僕は昨年度、大学を宣伝する雑誌のようなものを編集していたので、とてもイメージがしやすかったんです。
材料としてはさほど面白くないものが、対照的なものと隣り合わせにしたりすることで新しい付加価値が発生します。これが第二次創造。エディターシップによるものと外山滋比古さんは述べています。
素材を集める段階で、全く関係ない別のアイディアが面白いと思い、第二次創造で混ぜて加工すると意外と面白いものになるということです。少し具体例を述べます。
3.哲学レポートの例
私は、数ヶ月前に3000文字程度のレポートを書いていました。
しかし内容をどうにも膨らませることができず、内容も一般論。面白みのない文章でした。
しかし同時に、科学についての書籍や死についての書籍も読んでいた私は、この内容はレポートに応用できるのではないか?と考えました。材料が集まりました。
いわゆる第一次創造のフェーズですね。
次にその内容を加工することに決めました。
「科学」「死」というものは単体では面白みがなく、あまり繋がるイメージはありません。
レポートなので詳細は端折りますが、上記の2点を様々な主張の導入や、具体例として並び替えて用いることで、とても筆が進みA評価を頂いたことを今でも覚えています。
一見関係がなさそうな遠くの分野の情報をインプットすることで頭の中で化学反応が生じ、アイディアが生まれる良い例なのかなと思います。
4.汎用性は高い
これは就活でも使えるかもしれません。
面接で喋る内容も、順番も変えるだけで受け手の捉え方は変わるでしょう。
面接で喋る内容、自己分析からでてきた内容は第一次創造です。
それをどのような順番に組みかえるか、どう発散していくか、どう混ぜ合わせて面白さを出すか考えることが第二次創造ですね。
たぶん気がついていないだけでみなさん日常で無意識のうちにやっているかと思います。ぜひ身の回りに第一次創造と第二次創造に分かれる事例は無いかを探してみてください。
それでは以下に感想フォームを貼っておきます!
本日はありがとうございました!
『乱読のセレンディピティ』。面白い本ですので、よろしければ読んでみてください!