「伝える」を届けるブログ

都内の大学で哲学を専門として学んでいる3年生です! ここで哲学ときくと、現代においてマイナーな分野にされているというイメージを抱かれるかもしれません。そういったマイナーな「哲学」から世の中を見るとどう見えるのか?どう役に立つのか?といったことを中心にブログにしていこうと思います! その他映画や本のレビューを公開していきますので是非チェックしてみてください!

大人の本質について哲学生が徹底考察してみた。第64話

0.大人の本質について考察する

 

こんにちは!! 

昨日は子どもの本質について述べさせていただきました。

 

そこで子どもの本質とは「自分の視界にまだ他者がいないこと」と定義しました。

(詳細は是非一個前のブログをご覧ください。)

 

一方今日は「大人の本質について」述べていきたいと思います!

 

それでは本編へどうぞ!!

 

1.子と大人の二元論的世界

 

一つ疑問があります。

 

なぜ「大人」という概念が存在しているのでしょう?

 

どちらも分類上は「人」にカテゴライズされるものでありますよね。

 

「子ども」という特性がわかるのは「大人」というものと比較するからであると思います。

 

「夢」が「夢」であるとわかるのは、「現実」が存在しているように。

 

ということは、ここに生じているのは子どもと大人の二元論的な構造であり、そのロジックを採用すると、子どもの本質を逆転したものが大人の本質になるという理屈になると思います。

 

少し証明してみましょうか。

 

2.大人の特徴

 

では昨日と同じように「大人」であることの具体的な特徴を挙げていきたいと思います!

みなさんも大人だと思う人を一人想定してみてください!!!

 

①理論的/狡猾

一つ目は理論的であり、狡猾であるということです。

大人になるにつれて損得勘定というものが頭をよぎります。

理論的な計算を行い、自分が少しでも得をするような結果に導こうとする思考回路になる傾向はあるかと思います。しかしながら、感情だけで動かなくなる。つまり理論的な方にベクトルが向いくてるのもまた大人の良い特徴ですよね。

 

クラスでいじめられているやつよりは人気者のやつとつるんだ方が自分の株が上がるみたいなクズい発想がまさにこれに当たるのではないでしょうか。

 

②相関的/目の前のものに夢中にならない

 

自分はこの2つを同じようなものとみなします。

というのも子供は単純な因果関係で世の中を見ていると思うのです。

 

喧嘩したら痛い。宿題を忘れたら怒られる。等です。そこで思考が終了します。

 

しかし、大人になるにつれ、自分の犯した行動がどのように諸々のことに影響を及ぼすのかを考えられるようになると思います。単純な因果関係で考えない=相関的ということになります。

 

喧嘩したら痛いだけでなく相手の家族にも迷惑がかかる。

仕事の期日を守らなかったら起こられるだけでなく自分に対する期待度も下がるだろう。等です。

 

しかし、例えば、英会話を学ぶにしても、学ぶことでどんな良い影響があるのか?を考えてしまうため、物事そのものに夢中になることはできないと感じると思います。

子どもでしたら英会話そのものに面白いと感じるところでしょうか。

大人は英会話が自分にどう還元できるのかが頭をよぎると思います(これは人それぞれでしょうか。)

 

③空気を読む/通行人A

 

大人になると子どもと違って空気を読めるようになります。

周りの状況に合わせた発言ができるようになります。

 

しかし周りの状況に合わせすぎると、自分の主体性を失う可能性も発生します。

 

映画に出てくる「通行人A」のような存在でしょうか。個性の欠片もない人のことです。

 

④責任感を持つ/失敗を恐れる

 

歳を取るについて自分の持つ責任が重くなっていきます。

それと同時に一つの失敗が命取りになると思われるでしょう。

 

あくまで年齢的なことではありますが、責任感を持つということは同時に失敗に対して恐れを覚えやすくなるということに繋がる傾向があるんじゃないかなと思います。

 

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大人の特徴の全体図

3.大人の本質

 

以上、ざっと見てきました。

子どもの本質は「自分の視界に他者がいないこと」と定義しましたが、

 

これを逆にすると「自分の視界に他者がいること」

 

これが大人の本質ということになるのではないでしょうか。

 

これは当たっていそうですね。責任感だったり、空気を読むことだったり、そういったことは全部他者の存在によって生まれてくるものであるからです。

 

自分の失敗が他者に降りかかるから責任感を覚えたり、

みんなが過ごしやすいように空気を読んだりしますね。

 

大人になると働きます。

働くということは特定の対象者(顧客とか企業とか)を想定して自ら価値を算出する営みである思います。これは紛れもなく自分の視界に他者が存在することではないでしょうか。

 

地球上で生きていく、特に資本主義社会で自分の視界だけに自分を置いておくことは不可能であると思います。生きていれば必ず他者が絡むからです。

 

しかしこの他者が絡むということを悪く捉えないで大人の良い方に目を向けつつ、かつ子どものとても大切な部分を持ち合わせる。

 

つまり、大人である自分の中に子どもをいつまでも置いておくということが、自分が楽しく生きる上で重要なことになるのではないでしょうか。

 

以上で考察を終わりにしたいと思います。

最後にキーワードを並べておくので、

ぜひ小ネタにしてもらえればと思います!

 

今日も見てくださりありがとうございました!

 

4.キーワード

ピアジェ:スイスの児童心理学者。幼少期は自分の視点から世界を見る自己中心性を持つが、大人になるにつれ他人の視点を認めて物事を客観的に見られるようになると説いた。子どもは大人とは違う心の構造を持つとし、「子どもは小さな大人ではない」という言葉を残した。