刑務所と広告の共通点 第155話
1.刑務所とWeb広告の同一構造
全てを一望に見渡せる展望台から見る景色はとても綺麗ですよね。
しかし残念ながら、全てを一望に見渡せる刑務所もかつて構想されたことがあります。
それがパノプティコン。
イギリスを代表する功利主義哲学者のジェレミー・ベンサムが構想しました。
中央に監視塔を持ち、ドーナツのように周りを囲う独房があるということですね。
特殊な仕組みにより監視塔→独房の視線しか通らないようです。
つまり囚人たちはいつ何時も自分が見られているかのように感じ、脱走ができないということですね。これがパノプティコンの狙いであり、ポイントでもあります。
さて、現代にもパノプティコンのようなものがありますね。
私含めみなさんは「独房側」に位置するパノプティコンです。
そうです。インターネットです。
現代の監視社会に通ずる仕組みが、このパノプティコンなのです。
2.広告はまさにパノプティコン
最近はWeb広告の勢いが止まるところを知りません。
というのも、一昨年くらいでしょうか。とうとうWeb広告がテレビ広告を抜き去りましたね。
そのWeb広告は、まさにパノプティコンです。
例えばターゲティング広告。
あまりピンとこない方がいらっしゃるかもしれないので、少しターゲティング広告の仕組みを補足しますね!!
3.ターゲティング広告の仕組み
例えば、普段私たちは様々なWebページを閲覧したり、リンクをクリックしたり、ECサイトで商品を購入したり、SNSでいいねを押したり、様々な活動をWeb上で行います。そのデータは全てログとして保存されているんですね。
そのログを分析して、この人はこういうのが好きだからこの広告を表示させよう!というように広告のアプローチをするものがターゲティング広告です。私は男性なので、よく漫画の広告とか出ますね。ただ彼女はいるので出会い系の広告はあまりでません。
例えば、未婚の時は出会い系の広告が沢山出ていたのに、結婚したと同時に別の広告に変わった人もいるようです。
4.プライバシーの問題
ここまで来るとプライバシーの問題も難しいですね。
ただ現実として、広告のおかげで生活が豊かになることもあるので致し方はないのでしょうか。
ただ、この構造はベンサムが構想したパノプティコンに類似していると個人的に感じます。
「監視」を行うことの意味や倫理観を問うきっかけになるかもしれませんね。
では、本日はこの辺で失礼致します。感想フォームも載せておきますね!
また明日もよろしくお願いします!!