フランスの神秘性と合理性 第134話
0.今週のお題「読書感想文」
こんにちは!!
今日ははてなブログの「今週のお題」についてのブログを述べていきます。
今回紹介する本はこちら。
この本はただの歴史本ではありません。
ジャンヌ・ダルクを起点に、フランスの国民性や国の特色を切実に表しています。
今日はこの本で思ったフランスの逆説的(一見矛盾していそう)な国民性が両立している姿を述べていきます。
1.フランスという国の持つ2つの特色
フランスは「合理」の国であるように思うんです。
過去には政教分離を進めていたり、大陸合理論の親玉である哲学者ルネ・デカルトの影響を多分に受けていたりという側面からです。
しかし「神秘」という側面もあるんですよね。そこを切り分けながらも両立させているのが面白いなあと思います。
まず、フランスの合理的な側面から見ていきましょう!!
2.合理の国 フランス
歴史上の事実として、フランスは1905年に政教分離法を規定しました。
国家を世俗化したのです。
つまり政治と宗教を完全に分離させるというものでありました。
宗教のような神秘性を政治に持ち込まず、あくまで人間の理性で考えた最善な方法で政治を行うことです。
哲学史から見ても、中世は神学にかなりのウエイトが割かれていました。
まさに宗教の時代です。
ではなぜ、そんな宗教の時代から政教分離に移ったかという疑問が生じます。
その移りの橋渡しになるのがデカルト的合理主義の生まれです。
デカルトは哲学者です。このブログを長く見ていただいている方はおわかりかと思います。
この方は大陸合理論というどでかい哲学派閥?の親だまです。
理性だけで真理にたどり着くといった主張を述べているゴリゴリの理性主義者です。
なぜデカルトは、このような思想に気付いたか。
当時の近代は科学的なものの見方が導入され始めた時期です。
それこそコペルニクスやガリレイを筆頭に「神の力に依拠せず自然の奥にある法則を抽出する」といった営みが盛んになりました。
さらに中世にはびこった神学とアリストテレス主義者に対する強烈なアンチテーゼでもあるのでしょう。
時代が変わるときは、大概前時代をバネにしているように思います。
その2つが重なってデカルトはゴリゴリの理性主義になり、その近代化の萌芽の発端と政教分離政策が合理としてのフランスに結びつくのかなと個人的には思っています。
この辺は詳しく研究している方からすると、「それは違うよ!」というところもあるかもしれないので、もしよかったら感想フォームで教えてください!
こうした合理的な側面を持ちながら、なぜ神秘性を持っているのか?
どうして神秘性を判断できるのか?ということについて、次の項で示します。
3.神秘の国 フランス
フランスは本当に面白い国です。
フランスでは偉人とされている3人の人物がいます。
そして最後の1人が中世の英雄ジャンヌ・ダルクです。
このジャンヌ・ダルクという存在を聖女に昇華させたフランスから神秘性が見えるんです。
ナポレオンなどは近代以降の人ですから歴史的資料も豊富です。
実際王まで上りつめています。
しかしジャンヌダルクという人は1人の農民生まれの少女なんです。
その功績は百年戦争においての救世主ですが、この百年戦争で活躍するきっかけは「神の声」なんです。なんともスピリチュアルというか、謎ですよね。
つまり神の声がきっかけとしてジャンヌダルクが動きます。
その結果、王を戴冠させてフランスに国民性を定着させるという背景があります。
また、ナポレオンやルイ14世と異なりジャンヌダルクについて知られている事実を非常に少ないです。彼女自身が公の歴史に登場したのはわずか2年間余りに過ぎないとこの本には書かれています。
さらに実際に王位という権力についているわけでもないし、最終的には異端の魔女として宗教的に抹殺されてしまうという稀有な最期を遂げています。
政教分離という形をとりながら、未だジャンルダルクを崇拝している国民性は合理と神秘を両立している形であり、個人的にはかなりの魅力を惹かれています。
4.まとめ
今日はいつもと違う内容を述べさせていただきました。
おそらくいつもの方が人気があるでしょうが、このようなアカデミックな内容もこのブログでは随時発信していきます。とても面白く発信することを心がけるので、面白いと思った方はぜひ今後ともチェックをお願いします!
それでは今日はこの辺で!
ありがとうございました!!