矛盾を乗り越える表現 第28話
〈読んでいただきたい方〉
・小説、文学が好きな方
・ブログ等日常的に文章を書く機会がある方
・大学生の方
よくある経験
こんにちは!
雨ですね。梅雨が近づいているのでしょうか。怖いですね。
あの湿気がまとわりつく日々。
髪の毛が爆発して収まらなくなる日々。
ゾッとします。
さて、今日はある表現方法の1つについて述べようと思います。
たまにこのような経験ありませんかね。
これを言い表したいのだが、言葉にできない…。みたいな!
今日はそれを乗り越えた先人たちが編み出した、表現方法の1つを紹介します!
まじで面白いので是非!!
矛盾を重ねる試み
今回紹介するのは撞着(どうちゃく)語法という表現技法であります。
この「撞着語法」とは、言葉で言い表せないものをなんとか語り出そうとする表現上の試みのことです。
具体的な内容としては「矛盾」を用いた表現になります。
具体例を上げましょう!
今回言い表したいものは、常識を壊して人間の限界を超える人のことです。
こレに対して
〇シラフの酩酊
という言葉を用います。
シラフ(A)は、酔っ払いに比べて正常な判断をでき、極めで常識的です。
一方酩酊(B)は、シラフの人よりも遥かに認識能力が落ちています。
このAとBは同時に成り立ちませんよね?しかし、シラフの酩酊という矛盾する言葉を用いることで、常識を打ち破り人間の認識を越えるぞ!ということを表します。
このように矛盾する事象を同時に扱い、言葉で言い表せないものを表す試みが「撞着語法」と呼ばれるものです。
少し具体例を見て面白さを見てみましょう!笑
撞着語法の具体例
→これも立派な撞着語法と言えるでしょう。体が小さいにも関わらず強いスポーツ選手に対して使用しますね!
〇サウンド・オブ・サイレンス
→サイモン&ガーファンクルの楽曲のタイトルです。
サイレンスは静寂。サウンドは音なので、これも撞着語法です。
解釈の余地がありますね!
〇見えざるピンクのユニコーン
→有心論を風刺したパロディカルトの女神のことです。見えないんじゃないんかーい笑
〇生ける屍
→ロシアのトルストイの戯曲です。屍は死体なので、撞着語法と言えるでしょう。
Wikipediaにはこの辺が紹介されていましたが、
個人的に思う撞着語法の例も示しておきます!
〇キモかわいい
→これも「キモイ」という形容と「可愛い」という矛盾する形容が同時に使用されているので撞着語法と言えるでしょう。単純にキモイだけではないんだけど…といった気持ちを言語化しています。
→昔から形が変わらない化石のことをこのようにいいますね!
余談ですが、中学の60歳を遥かに越えている女性の教師の方がいたのですが、生徒から生きた化石と呼ばれていました(笑)
この辺が撞着語法になります。表現の幅が深まりますよね。
是非みなさんも自分だけの撞着語法を作ってみてください!
哲学ブログなので一旦哲学に触れてみますね!笑
哲学の小ネタ
哲学では、「語り得ぬものには沈黙しなければならない」といった
そのような語らない態度を選択したカントに対して、
直観(直感ではないです)を用いて超越を見出したプラトン
その両者にも当てはまらないアウグスティヌスという哲学者、神学者がこの撞着語法を用いています。本当に一例で他にも撞着語法を使用した人はいますけどね!!
哲学ブログを謳っているので、触れておきますね!笑
この哲学者は、神(言葉で言い表せないもの)について述べる文脈で撞着語法を用いています。人間が神について語る。ロマンがありますよね。
まとめ!
以上が撞着語法になります!!
言葉が増えるということは、言い表せる概念も増えるということですよね。
自分の表現力を高めるためにも、暇つぶしに撞着語法を作ってみましょう!笑
勉強は暇つぶしにもなりますから!笑
では今日はこの辺で!!
見てくださってありがとうございました~!!